ちいさな植物園

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<<   作成日時 : 2007/06/30 09:58   >>

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 能登での予定を終えて、帰途についた。富来を出た後は、羽咋、氷見、高岡、新湊、富山と比較的大きな道をたどったのでわかりやすかった。途中、なだらかだが峠を越えて富山県にはいると、家の建て方を始め、街の雰囲気ががらりと変わったのがおもしろかった。同じ中部圏で日本海側であっても、自分の住む地方(太平洋側)に富山は近いように感じた。海に面した地域では、また違うのかもしれないが。
 長距離になるので途中で人に会う用事をつくって、春に続いての高山泊となった。国道41号を富山市街からひたすら南下した。途中、神岡の鉱山街や菅生(数河すごう)峠などが車中からでも眺めを楽しめ、また、晴れていたら立山はじめ北アルプスも見られただろうに、さすがに梅雨の最中、そう思うとおりにはいかない。
 写真は、高山の陣屋前・中橋と日枝神社・御旅所。春の高山祭はこの広場で屋台のからくりなどが披露される。居並ぶ屋台は必ずここで神社を拝んでから、行列を進める。ものすごい人出となる場所だが、さすがに朝の7時は静かだ。今回はホテルも食事なしで頼んで、朝食は陣屋前の食堂で。ご飯に味噌汁、目玉焼きにのりは定番のあさめし定食だが、なす・こんにゃく・こもどうふ・ちくわなどの炊き合わせは、高山のお袋の味。これを楽しみに高山で泊まったようなものだった。ひとしきり、おばちゃんたちと冗談を飛ばしあった後、友人への贈り物を探しに、ちょっと敷居の高い春慶塗の店に寄る。自分用にも、渋草焼のぐい呑みを。

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 一歩、高山の市街地から出ると、田園地帯になる。この一帯(旧丹生川町)は円空が一宿一飯の恩義や人々に請われてのこしていった仏像が、数多く民家にも現存する地域だ。千光寺(高野山真言宗)の寺宝館で六十余体の円空仏を拝観できるので、通い詰めた高山で遅まきながら訪ねてみた。これは、参道途中のヤマボウシ。

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 寺宝館で撮影を許されている、枯れ立木に彫られた仁王像。150年前まで風雨にさらされて立っていたと言われるが、もう一体などは本当に朽ちて形を失う寸前の状態であった。他にも、このように細部まで表情を彫り込んだものから、いわゆるナタ彫り仏と呼ばれる丸太をいくつかに割ったままに目鼻を線刻した、しかしながら微笑みをたたえる優しいお姿のものまで、様々な円空さんに出会うことができた。中でも病や厄災に苦しむ村人のために各家を巡ってきたものや「おびんづるさま(賓頭廬像)」のように、いかにも人々の手でなで回されてつやの出たものなど、土地の人のそばにいたのが円空さんであり仏たちだったのだろう。

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 いったん戻って、市街地に隣接する車田。中央にたてた杭を中心に同心円を描く、田植えの方法で形はほぼ真円。特別な献上米を作っていた田は、今も保存会の人たちの手で稲作がされている。他には佐渡で見られるなど例が少ない。ここから今回は、乗鞍岳と御嶽山の間を抜ける、晴天だったら最高に贅沢なルートで南下した。(41号には少々飽きたため)美女峠・長峰峠・地蔵峠や大小のトンネルを抜けて、国道361号線から19号線・木曽福島に至るルートだ。

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 長く走ってきたのを言い訳にして、長野県にはいってすぐ、開田高原の水生植物園に寄り道した。御岳が上半分を雲に隠して、姿を見せてくれないせいもあった。国道脇にあるので、少し歩くといい休憩になった。
 ノハナショウブ、アヤメ、ワスレナグサ、花後のミズバショウ、シダ類、レンゲツツジなどが水のかなりたまった湿地に見事に群生して咲いていた。

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 駐車場に植えられているナナカマド。真っ先に赤く紅葉して季節を告げる木。休憩終了!!

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 19号線に入り、木曾街道となる。上松(あげまつ)では、JR中央線と平行して流れる木曽川の両岸が自然の造形をなす、寝覚ノ床(ねざめのとこ)を見ることができる。特急しなのに乗ると車内アナウンスがあり、スピードも緩めて列車内から間近に見ることができる。歩いて下まで降りてゆけば浦島伝説さながらに川岸を踏むこともできるが、今回は上からの眺めで先を急ぐ。

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 寝覚ノ床を見下ろせる蕎麦店に植えられた、ソバの花。その脇には、一見ラナンキュラスのようだが、わずか1pあまりの花、これがキンポウゲ本来の姿。たぶん園芸店でゴールドペニーと名付けて売られているものを植えたのだろう。

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 この後しばらくして、再び山中へ。まだ2〜3の峠を越さないと、我が家には到着しない。帰宅したのは19時であった。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。千光寺(高野山真言宗)の寺宝館で六十余体の円空仏を拝まれたのですか?
>ナタ彫り仏と呼ばれる丸太をいくつかに割ったままに目鼻を線刻した、しかしながら微笑みをたたえる優しいお姿のものまで、様々な円空さんに出会うことができた。
私の知人達も、ここの円空さんの鉈彫りを見に出かけられて、歌に詠んでおられ、話に聞いていました。
画像で見せて戴いて、鉈彫りの様子がよく分かります。
優しいお顔立ちなんですね。
>土地の人のそばにいたのが円空さんであり仏たちだったのだろう。
仏は仏を求めようとする無我の自分の心にあるような気がします。「仏」の字は人偏ですものね。

ノハナショウブかアヤメの白もあるのですか?ワスレナグサがこんなに群生してびっくりです〜。綺麗ですが、やはり時期的に遅いですね。

私も、旅行先で初めて八重キンポウゲをみましたが、園芸種だったのですね。
ご自分用にも、渋草焼のぐい呑みをと書かれてありますが、御酒を嗜まれるのですね?
今日は何故かコメント送信できず、今頃夜鷹しています〜。
一花
2007/07/03 01:34
おはようございます。遅くに読んでいただき、コメントくださってありがとうございました。
 東海地方は、円空さんが長く暮らした土地が点在しているために、各所に仏さまがのこされています。拝んでいると、かいなを広げて包み込むような表情をたたえています。ここでの一時があって、心を静めて帰宅できたのだと思います。
 開田高原のワスレナグサは昔からよく知られています。夏でもずいぶん涼しいので、ずっと8月まで咲いています。もっとたくさん咲いているところもあって、天の川のようでした。ノハナショウブは、カキツバタのようにも見えて自信がありませんが、地元のガイドを参考にしました。青みがかったものと白とが、美しいコントラストを作っていました。
 キンポウゲは、江戸時代にこの八重咲きにつけられた名前で、当時から愛好されたのだとか。野生にもあるらしいのですが、私はお目にかかったことがありません。
 ぐい呑み、輪島でも塗りのものを買いました。大きさと価格が手頃で、作り手がいろいろ工夫していて、しかも器を選んで「飲む」楽しみもついてくる、となれば、つい手が出てしまいます。 
一花さんへ
2007/07/03 09:21

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